また米銀の後塵を拝するのか

サブプライムショックで赤字決算の続いていたアメリカの銀行でしたが、ゴールドマン・サックスに続いてシティグループも黒字に転換、しかもかなり良い数字を計上してきたのには驚きました。

自動車産業は確かにアメリカ経済の輪の中の弱い部分ですが、この部分は経済が好調な時でさえ辛うじて息をしているような業界ですから、この不況下でまだ命脈を保っていること自体が不思議です。
アメリカの製造業は駄目というような認識がわが国にはあるようですが、それは自動車産業ニュースばかりが報道されることに原因がありそうです。
銀行業界の業績が好転してきたということは経済界の底の深さを感じさせるものです。

一方我が国を見てみれば、アメリカの銀行が危機という時にはわが国の銀行は健全であるということでしたが、それはあくまでも金融の世界という一部分のことでした。
不況風が全世界を吹き荒れるようになってみると産業界への打撃の方が大きくなって本業の貸付部分が大不振。
早めに危機に直面してリストラを展開して損失をダイナミックに処理したアメリカの金融機関に対し、貸出先の経営悪化はこれからが本番という我が国の金融機関の方が実はもっと危ない状況なのかもしれません。

つまりサブプライムローンは銀行本来の分野ではなかったわけで、漁業に例えれば我が国の銀行はそういう漁場ではあまり操業していなかった。
だから漁獲がなくても影響は少ない。
ところが世界景気が後退して貿易が縮小すると、そこを主たる漁場としていた我が国の銀行は一気に漁獲高の減少に見舞われたというわけです。

考えてみれば経済全体から考えれば金融部門というのは一部分に過ぎず、メインになるのは輸出入、つまりは製造業が中心なのです。
とりわけ昔からの加工貿易立国のわが国にしてみれば世界同時不況は死活問題だったのに、アメリカの金融危機を矮小化してわが国には関係ないことと決め込んでいたのが失敗のもとでした。

我が国の銀行は健全と言っていた大臣がいました。
トヨタやホンダが経営危機になっていますか、と大見得を切っていた総理大臣もいました。
そういう連中がいまは非常時とばかりに後先を考えない大ばらまき予算を打ちまくっています。
敵失もあってこのところの支持率も上昇傾向を辿っていることに気を良くしたのか、「アブさんの年齢はいくつか知っているか」などとあほな逆質問を記者団に浴びせ、答えを間違うと「そんなことじゃだめだ」と得意満面。
あんたの得意分野はばらまき予算と漫画だったんだね。

どんな非常事態に直面しようと漫画の世界ならば何事も都合よく解決するものだか、どうもそう思っているのかもしれません。
不況克服の予算は四段ロケットなどと、北朝鮮のミサイル発射を念頭に置いているのかのような発言もありました。

まあ、それもいいでしょう。
どうせ政府は頼りにならないことは、小泉内閣の嵐に向かって窓を開けよ政策で産業界は先刻承知しています。
100年に一度の大不況といわれ、ネット上では世界は大恐慌に突入したなどと思っている能天気な連中がいたようですが、どこが大不況なのか。
失業者数が少しばかり増加したところで騒いでいるのは日本だけのようです。
世界的に見ればまだまだかわいい数にすぎません。
途上国では二桁の失業率など日常的ですから、だからといって支出を絞りまくるなんてことはありません。
絞ろうったって収入がないから絞れないということはあるにしても、支出しないことこそが不況を拡大、長期化する原因ということを知らないながら知っているのか。

いずれにしても国民全体が委縮している間に震源地のアメリカでは経済の復興が進んでいるのかもしれません。
旧ビッグスリーのうちの二社の破たんなど、もう問題にはしていないのでしょう。
ここまでくると破綻は歓迎、あく抜けになるのかもしれません。

学者たちは口を揃えてアメリカ一国支配は終焉したと言っていました。
しかしこのままいくとアメリカ製の鉄火場資本主義は案外としぶとく生き残りそうです。

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